帯状疱疹とは
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することで発症する病気です。日本では成人の約9割がこのウイルスを持っているとされ、加齢やストレス、免疫力の低下によって発症することがあります。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、以下の要因によって引き起こされることが多いです。
- 加齢(50歳以上の方に多い)
- ストレスや過労
- 免疫力の低下(糖尿病、がん、ステロイド治療中など)
- 風邪やインフルエンザなどの感染症後
多くの方はもともと持っているため、体力低下や免疫力低下により引き起こされます。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹は、主に神経に沿って片側に水ぶくれ(疱疹)が帯状に現れるのが特徴です。
✅ ピリピリ・ズキズキする痛み(発疹が出る前から現れることも)
✅ 赤い発疹と水ぶくれ(通常、体の片側に出る)
✅ かゆみやヒリヒリ感
✅ 発熱や倦怠感(全身症状として現れることも)
✅ 重症の場合、目や耳に障害が出ることも
症状は1~2週間ほど続きますが、痛みが長引く場合もあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)として慢性化することがあります。その帯状疱疹が神経痛が非常に厄介です。
帯状疱疹の診断方法
帯状疱疹は、主に症状や皮膚の状態を医師が確認することで診断されます。必要に応じて、ウイルス検査や血液検査が行われることもあります。
基本的には皮膚の所見が重要となります。
帯状疱疹の治療方法
① 抗ウイルス薬(早期治療が重要)
発症から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することで、症状の軽減や合併症の予防が期待できます。
- アシクロビル
- バラシクロビル
- ファムシクロビル
② 痛みの緩和
帯状疱疹の痛みは強いため、鎮痛剤が処方されることがあります。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- アセトアミノフェン
- 神経痛用の薬(プレガバリン、ガバペンチン)
③ 帯状疱疹後神経痛(PHN)への対策
神経痛が長引く場合は、リハビリやペインクリニックでの治療が必要になることもあります。
帯状疱疹の予防
帯状疱疹は、ワクチン接種で予防が可能です。
✅ 50歳以上の方はワクチン接種を検討
✅ ストレスを減らし、十分な睡眠をとる
✅ バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を維持
やはり大切なのはワクチン投与です。
帯状疱疹ワクチンについて
現在、日本では2種類のワクチンが使用されています。
- 乾燥弱毒生ワクチン(1回接種、有効期間約5年)
- 組み換え不活化ワクチン(2回接種、有効期間約10年)
ワクチンは、発症リスクを減らし、重症化を防ぐ効果が期待できます。厄介である帯状疱疹後神経痛の抑制にも効果があるとされています。
当院でも組み替え不活化ワクチンの投与が可能です。(比較的効果なワクチンですが、市の助成があるため、事前に申請が必要です)
まとめ
帯状疱疹は加齢や免疫力の低下によって発症しやすい病気ですが、早期治療とワクチン接種で予防や軽減が可能です。水ぶくれやピリピリする痛みを感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。