シングリックスとは?
シングリックス(Shingrix®)は、帯状疱疹を予防するために開発された 不活化ワクチン です。帯状疱疹とは、子供の頃に感染するみずぼうそうと同じウイルスが原因で起こる皮膚の病気で、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれが多く集まって帯状に生じるもの
従来の生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)とは異なり、ウイルスを弱らせた生きた状態で使うのではなく、ウイルスの一部分を利用して免疫を高めるタイプのワクチンです。そのため
- 免疫が低下した方でも接種できる可能性がある(※適応は医師判断)
- 高い予防効果が期待できる
という特徴があります。
なぜ帯状疱疹の予防が重要なのか?
帯状疱疹は水ぼうそうのウイルス(VZV:水痘・帯状疱疹ウイルス)が再び活性化して起こる病気で、50歳を過ぎると急激に発症率が高まることが知られています。また、帯状疱疹は皮膚の痛みだけでなく、
- 帯状疱疹後神経痛(PHN:長引く痛み)
- 顔面神経麻痺・耳鳴りなどの合併症
につながることがあり、生活に大きく影響します。
シングリックスの効果は?
ではシングリックスワクチンはどれくらいの予防効果があるのでしょうか。
帯状疱疹の発症をどのくらい予防できる?
大規模な臨床研究では、シングリックスの予防効果は非常に高く、接種1年後まで90%以上の予防効果、接種10年まで7割程度の予防効果があるとされており、これは下記で説明する生ワクチンより効果が高いです。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防にも効果があります
また、帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治った後も痛みが続く状態で、高齢者で特に問題になります。このシングリックスは、この PHN を90%以上減らした と報告されています。
接種対象とスケジュール
接種はすべての方ができるわけではありません。下記の方が対象となります。
接種対象となる方
日本では以下の方が対象です。
- 50歳以上の成人
- 18歳以上でも、医師が必要と判断した方(免疫低下など)
当院では年齢や健康状態を確認し、安全に接種できるかを医師が判断します。また、これは接種対象であり、自費での接種の場合となります。
別途、説明するように現在65歳以上の方に自治体から助成がでており、対象となる方は利用することで負担が少なく接種が可能です。
接種回数と間隔
シングリックスは 2回接種 のワクチンとなります。
- 1回目
- 2回目:2〜6か月後
特別1回目で問題がなければ、免疫をしっかりつけるため、2回とも接種することが大切です。
副反応について
すべてのワクチンで副反応がおきることがあり、シングリックスでも同様にあります。
よくみられる副反応
シングリックスは効果が高い反面、注射部位の痛みや発熱、倦怠感が比較的出やすい特徴があります。
一般的には
- 注射部位の痛み・腫れ・赤み
- 発熱、全身倦怠感
- 頭痛
などが報告されています。特に接種部位の疼痛は70%程度に起きるため、起きることが多いと考えましょう。いかし、多くは 1〜3日程度で自然に改善します。
重い副反応
まれにアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があるため、接種後は院内での観察を行います。
生ワクチン(従来ワクチン)との違い
従来型のワクチンも接種の対象となりますが、当院ではシングリックスをお勧めしています。理由としては効果がシングリックスの方が高いためです。
シングリックス(不活化)
シングリックスの特徴は下記の通りです。
- 2回接種
- 効果が高い(90%以上の予防効果)
- 免疫低下の方にも接種可能な場合がある(医師判断)
- 副反応はやや出やすい
- 費用は高い
費用は高いというデメリットはあるものの、予防の効果も高い特徴があります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン(従来型生ワクチン)
従来型ワクチンの特徴は下記の通りです。
- 1回接種
- 予防効果は約50%前後
- 免疫が弱い方には接種できない場合がある
一回接種で費用は安いという特徴はありますが、予防効果が比較して低いです。
シングリックスワクチンの費用について
令和7年度(令和7年4月1日〜令和8年3月31日)から、静岡市は以下のような定期接種制度を開始しています。
対象者は
令和7年度中に65歳になる方
令和7年度中に70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方(5年の経過措置)
令和7年中に100歳以上となった方
60〜64歳で、HIV による免疫機能障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(該当者)
ワクチン・接種回数:生ワクチン1回、または不活化ワクチン2回。生ワクチンと不活化ワクチンの併用接種はできません。
接種費用(目安):生ワクチン1回:約5,040円、不活化ワクチン1回:8,240円(2回接種必要)
注意点:対象年齢の年度に接種を受けなかった方は、次年度以降は定期接種対象外となり、任意接種(自費)扱いとなりますのでご注意ください。
特に検討をおすすめしたい方
特に下記のような方は対象となればおすすめしています。
- 過去に帯状疱疹を経験したことがある方(再発予防)
- 糖尿病・慢性腎臓病・慢性肺疾患など、帯状疱疹のリスクが高い方
- 家族の介護などで「発症すると困る」という理由がある方
- 免疫が低下する可能性のある治療を予定している方(医師と相談)
ただ、ワクチンは納得して受けていただく必要があるため、少しでも不安がある方はまずはご相談ください。
まとめ
シングリックスは、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛を高い確率で予防できる、不活化ワクチンです。
副反応はありますが、多くは一時的で、予防効果の高さから世界的にも推奨されているワクチンです。
帯状疱疹のリスクが高くなる50歳以降は、発症してから困る前に 「予防の一歩」 として検討されることをおすすめいたします。
接種の可否やタイミングについては、当院でお気軽にご相談ください。
