COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

1. COPDとは?

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、主にタバコの煙や大気汚染などが原因で気道や肺に炎症が生じ、息苦しさが続く病気です。知らず知らずのうちにそれらの炎症により気管支が狭くなったり、肺の弾力が失われることで、空気の出し入れが難しくなります。

COPDは進行性の病気で、悪化すると自宅で酸素を吸うなどの治療が必要になる場合もありますが、早期に発見し適切な治療を受けることで、症状を和らげ、生活の質を維持することが可能です。


2. COPDの主な原因

COPDの主な原因として、以下のものが挙げられます。

① 喫煙(タバコ)

  • COPDの最大の原因は長年の喫煙です。
  • 受動喫煙(他人のタバコの煙を吸うこと)もリスクになります。

現在、COPDを患っている患者さんのほとんどがタバコ(以前吸っていた場合も含め)となっています。

② 大気汚染や職業環境

  • 粉じんや化学物質を吸い込む仕事(炭鉱・工場・建設業など)が原因になることもあります。

③ 遺伝的要因

  • 家族にCOPDの方がいる場合、発症リスクが高まることがあります。

3. COPDの主な症状

COPDの症状はどんなものでしょうか。それは

  • 慢性的な咳(せき):長期間続く咳、特に朝に多い。
  • 痰(たん)が出る:白っぽい痰が絡むことが多い。
  • 息切れ(呼吸困難):階段を上る、歩くなどの軽い動作で息切れする。
  • ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)

ですCOPDの症状はゆっくりと症状が進行し、辛さが急速に悪化しないため、初期の段階では気づきにくいことがあります。症状が進行すると、日常生活に支障をきたすようになります。

とにかく早めに発見して禁煙、治療を行うことが重要です。


4. COPDの診断方法

COPDを疑われた場合は診断には、以下のような検査が行われます。

  • 胸部X線検査・CT検査:肺のダメージや異常を確認する。
  • 血液検査:酸素や二酸化炭素の量を測定する。
  • 肺機能検査(スパイロメトリー):肺の空気の出し入れが正常かどうかを調べる。

5. COPDの治療方法

COPDは完治する病気ではありませんが、症状を管理することで悪化を防ぎ生活の質を向上させることが可能です。

① 禁煙

  • COPDの進行を防ぐ最も重要な対策は禁煙です。
  • ニコチンパッチや禁煙外来を利用するのも有効です。

まずは今も喫煙を行っている場合に大切なのは禁煙です。喫煙を継続することでCOPDが悪化しやすくなります。

② 薬物療法

  • 気管支拡張薬(吸入薬):気道を広げ、呼吸をしやすくする。
  • 吸入ステロイド薬:炎症を抑える。
  • 去痰薬:痰を出しやすくする。

そのほかには投薬治療を行います。特に重要なのは吸入薬で吸入することで病気の進行を抑えます。

③ 呼吸リハビリテーション

  • 呼吸法のトレーニング:腹式呼吸や口すぼめ呼吸で呼吸を楽にする。
  • 運動療法:無理のない範囲で歩行や軽い筋トレを行う。

④ 酸素療法(重症例)

それらの治療を行っても、労作時などに血液中の酸素濃度が低下している場合、在宅酸素療法が必要になることがあります。


6. COPDの予防と生活習慣の改善

COPDの進行を防ぎ、症状を軽減するために、以下の生活習慣を心がけましょう。

  • 禁煙を徹底する(家族も協力する)
  • 風邪やインフルエンザを予防する(ワクチン接種、手洗い、うがい)
  • 規則正しい生活とバランスの良い食事を摂る
  • 適度な運動を行い、筋力を維持する
  • ストレスをためず、リラックスする時間を持つ

7. COPDと上手に付き合うために

COPDは進行性の病気ですが、適切な管理によって症状を軽減し、日常生活を快適に過ごすことができます。

  • 早期診断と適切な治療を受ける
  • 禁煙を実践し、生活習慣を改善する
  • 医師と相談しながら治療を継続する

症状が悪化した場合や、新しい症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。