尿検査はなぜ大切?なぜ内科で尿検査をおこなうのかについて解説します。

はじめに

高血圧糖尿病の治療中に、「尿検査をしましょう」と言われたことはありませんか?

高血圧で治療しているはずなのになぜ尿検査?と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、尿検査は採尿するだけの簡単な検査ですが、これらの病気をしっかりみていくうえで、実はとても大切な役割を果たしています

この記事では、高血圧や糖尿病の方でどうして定期的な尿検査が必要なのか?についてわかりやすくお話しします。

尿検査の高血圧や糖尿病の方にとっての意味は?

高血圧や糖尿病は全身の疾患です。その中でもダメージを受けてしまう臓器の一つが腎臓です。腎臓は悪くなると最悪のケースでは人工透析となり、体や経済的な負担もかなりかかってしまうため、治療をしっかりして透析を防ぐことがとても大切です。

その腎臓の痛み具合を簡単に調べることができる検査こそ尿検査です。

尿検査の主な目的は腎臓(じんぞう)の状態を調べるため

具体的には尿検査では主に尿に蛋白が出ていないか?血尿が出ていないか?などを調べます。高血圧や糖尿病は、長い時間をかけて腎臓(じんぞう)にダメージを与えます。

腎臓は血液をろ過して尿をつくる臓器ですが、機能が落ちてくると、尿にたんぱく質(アルブミン)が出てくるようになります。

腎臓のダメージは「尿たんぱく」や「尿アルブミン」がポイント

尿検査でよく見る「尿たんぱく」や「尿アルブミン」は、腎臓のフィルターがうまく働かなくなったサインです。

とくに糖尿病では、「微量アルブミン尿」というごくわずかなアルブミンが出る段階が、早期発見のカギになります。

尿に異常が出るのは、症状が出るよりもずっと早いことが多いため、「体の声」を早くキャッチする手段としてとても有効なのです。

「サイレントな臓器ダメージ」を見つける

尿たんぱくや微量アルブミンは、将来の心臓病や脳卒中のリスクと関係があることがわかっています。つまり、尿検査はただの腎臓チェックにとどまらず、全身の血管の健康状態を見る手がかりにもなります。

高血圧や糖尿病があると、血管への負担が増えます。その負担が最初にあらわれやすいのが腎臓。だからこそ、定期的な尿検査で「沈黙の臓器」の変化を早く見つけることが、腎臓以外の重い合併症を防ぐ第一歩になるのです。

生活習慣や薬の成果を「見える化」する

薬を飲んだり、食事や運動を頑張っていても、「本当に効果があるのか不安…」という方もいらっしゃるでしょう。尿検査は、そうした治療の成果を確認する一つの方法です。

例えば尿蛋白がある方は、SGLT2阻害薬やARBというような腎臓を保護する効果が証明されている薬を内服します。その効果を測定する方法としての尿検査は成果を見る手段になります。

たとえば、尿中蛋白の値が下がっていれば、「腎臓が守られているサイン」として自信につながります。

 腎臓の異常は症状としてでてこないため、尿検査を定期的におこなうことで経過をみることが大切です。

まとめ

尿検査はなぜおこなうのか?について解説しました。

  • 高血圧や糖尿病は、腎臓に負担をかける病気です。
  • 尿検査では、腎臓の状態や全身の血管の傷み具合を早くキャッチできます。
  • 合併症のリスクを予測し、早めの対策につなげるために、尿検査はとても大切な検査です。

尿検査はほんの少しの手間ですが、未来の健康を守る大きなヒントになります。忘れずに、定期的に受けるようにしましょう。

みどりのふきたクリニック

診療科目循環器内科、消化器内科、内科、訪問診療
場所静岡市葵区大岩町4-23 
アクセス静清バイパス唐瀬ICから5分 城北公園の近く
予約WEB予約,電話予約はこちら