令和7年1月より消化器内科の医師が加わり、新たな診療体制となります。

withコロナでの新しい発見

写真は清里高原ホテルの横の道路で撮影したカノープスです。

静岡市静岡医師会で発刊している会員向けの雑誌、市医しずおかに投稿した文章です。

テレビがコロナ、コロナと騒ぐ日々が終わることなく続いています。そのわりには当院の患者さんで感染者は出ていないし、知人にも家族にも感染者はいない。いったいどこにいるのだろうと思う毎日です。

新型コロナウイルスのおかげで、今までできなかったことが可能になったり、気がつかなかったことに気がつき、行かなかったところに行く機会を得ました。これはとても良かったとことだと思います。私が発見した新しいことをご報告いたします。

(1)宝塚歌劇が自宅のテレビで簡単に観られる

これまでは宝塚市か東京日比谷の宝塚劇場に行かなければ観られなかった宝塚歌劇団の公演が自宅で簡単に視聴できるようになりました。交通費も宿泊費もかかりません。チケットも取らなくてよいのです。しかも安い。パソコン、携帯電話等で「RakutenTV」もしくは「U-NEXT」にアクセスし、そこでライブ配信を購入します。価格は3500円で、実際観劇するとS席で9,500円ですから半額以下で観られます。もちろんすべての公演がライブ配信されるわけではありません。ライブ配信は千秋楽公演が多いように思います。携帯から「Chromecast」を利用してテレビに飛ばしたり、パソコンとテレビをHDMIケーブルで繋いだりしてテレビで観劇するのがお勧めです。テレビによっては標準搭載のシステムから直接視聴できるケースもあるようです。ぜひお試しください。

(2)GO TO TRAVEL

 コロナのことがあるので、あまり遠くへの旅行は気が引けます。静岡県内には伊豆という素晴らしい旅先があります。焼津黒潮温泉も梅ヶ島温泉もあります。その魅力を再発見いたしました。

 私が行って気に入った旅館を紹介しますが、宣伝する意思はございません。他にも多くの魅力ある旅館があると思います。
 まず1番目は天城湯ヶ島温泉にある「水のみち風のみち湯ヶ島たつた」です。部屋は狭いですが、貸し切り露天風呂が多数あり楽しめます。部屋からも絶えず川の流れが聞こえます。何と言っても食事処が素晴らしいのです。京都ばりの川床です。狩野川の支流である猫越川の真横に建っているため、その川のすぐ横で川の流れを見ながら食事ができます。マイナスイオン効果がコロナで汚れた心を洗ってくれます。

  2番目は七滝温泉郷にある「天城荘」です。古くからある老舗旅館ですが、今は駿河区にあるLIBERTY RESORTが経営しているようです。何と言っても川津七滝の一つ「大滝」が川沿いにある露天風呂の敷地内にあることです。「大滝」は宿泊者と日帰り入浴の人だけが間近で見ることができます。その壮大な滝から流れ落ちる水を見ながら、水着着用ですが露天風呂を楽しめます。夜はライトアップされるので幻想的で日本とは思えない雰囲気です。旅館から露天風呂までは坂道を15分ぐらい歩くので根性が必要です。

 3番目は金目鯛の里、伊豆稲取温泉にある「食べるお宿 浜の湯」です。とにかく金目鯛を中心にアワビの酒蒸しなど料理がとても美味しい旅館です。朝食にも刺身の舟盛りが付きます。中でも一番良かったのは露天風呂です。海ぎりぎりにあるのかと錯覚する作りで、夜は1:30まで朝は4:00から入れるので、満天の星空が見られます。露天風呂から見る星空に地球の偉大さを知ります。

 4番目は土肥温泉にある「玉樟園新井」です。細腕繁盛記の作者、花登筐さんが宿泊したことで有名です。温泉も気持ちが良く、貸切り風呂もあります。食事は部屋食で満足するレベルでした。ここで素晴らしいのは部屋から見る夕日です。水平線に沈んでいく夕日の赤が美しく、すべてを浄化してくれそうです。

 5番目は焼津黒潮温泉の「焼津グランドホテル」です。車であっという間につきます。このホテルはオールインクルージブというプランで、宿泊料金にホテル施設内の食事やドリンク、イベント、アクティビティなどすべて含まれます。土曜の診療が終わるとすぐにホテルで、15:00には飲み放題の静岡麦酒が楽しめます。ここから見る駿河湾はいつも見る海より美しく見えます。運が良ければムーンロードが見られます。食事はブッフェスタイルですが、石窯で焼き上げたピザが美味しい。駿河湾の絶景を眺めながらバーでのんびりドリンクタイムも楽しめます。朝食のブッフェでは目の前で揚げてくれる鰺の素揚げがまた美味しい。

 6番目はまたまた焼津黒潮温泉「湊のやど 汀屋」です。焼津の港すぐ近くにあります。中に入ると焼津であることを忘れさせるような、別世界感があります。ここは全室露天風呂付で、この露天風呂が素晴らしくくつろげます。いつまででも入っていれます。食事は絶品です。私の知る限りベストです。マグロも白身魚も出汁もすべてが特級品です。

 最後に静岡市が誇る温泉郷、梅ヶ島温泉です。梅ヶ島はなんとも物悲しい雰囲気を醸し出す温泉郷です。温泉は重曹入りでぬるぬるの美肌湯で私の中では最高のお湯です。お宿は「思い出の宿 湯の島館」で、食事は駿河軍鶏づくしがお勧めです。ここの良さは何と言っても1時間貸し切りできる「風・林・火・山」の4つの温泉です。4つとも入るためには15:00チェックインが必要です。私が好きなのは「林」です。部屋のベッドはおそらくシモンズ製で気持ちよく眠れます。

(3)星空、天体を見よう

 中学生の時、真剣に天文学者になりたいと思った事を思い出しました。普通の天体望遠鏡では飽き足らず反射型望遠鏡を買ってもらいましたが、扱いにくさにめげて、そのうちその夢も忘れてしまいました。コロナの影響でなぜか星空を見よう、プラネタリウムに行きたいと思うようになりました。

 プラネタリウムですが、静岡市近傍には三つあります。一番近いのは「ディスカバリーパーク焼津」です。アニメや娯楽系の内容が多くて子供向きです。プログラム毎に料金を払います。

次は「富士川楽座プラネタリウム」です。東名高速で行けばすぐに着きますが、帰りが困るのでスマートICで出て一般道からの入り口で入った方が良いかと思います。内容は2種類ですが、プログラムがどんどん繰り返し上映されており、待たずに見られます。星座の説明もあり、楽しめます。

最後に最もマニアックな「月光天文台」です。伊豆に旅行した帰りに寄ってください。伊豆縦貫道の大場函南から三島塚原ICの間で山を登っていきますが、かなりくねくねで不安になりますが、大丈夫です。ちゃんとあります。4階建ての建物で「コスモワールド」

という展示エリアもあります。プラネタリウムのプログラムは3つあり、入館料を払えば何回でも見られます。とにかく説明してくれる研究員の方の語りが素晴らしく、星空への愛を感じます。敷地内に公園もあり、子供たちは喜んで遊んでいました。

しかし、星空の醍醐味を感じるためにはプラネタリウムではなく本物の星座を見たくなりました。星空が綺麗と言えば、「星の聖地」野辺山、八ヶ岳でしょう。これは行くしかありません。タイヤをスタットレスに変えて、チェーンも買って行ってきました。

1泊目は「八ヶ岳グレイスホテル」です。比較的手頃な価格のホテルですが、寂しくなるほどでもなくアットホームな感じです。大浴場は温泉ではなく、露天風呂もありませんが、食事は自家農園でとれた野菜が素晴らしく美味しいので満足です。国産和牛ステーキを食べましたが、脂が少なく良い味でした。そんなことより大切なのは「星空観賞会」です。毎日20:00より無料で開催されます。ホテルから少し歩いたところにある広場に行き、マットの上に寝転がり、星座の説明を聞きました。天空には静岡市では見られない数の星が輝いています。これこそ満天の星空です。冬の星座のスーパースターである昴も見えました。双眼鏡でのぞくとスバルの車についているあのマークでした。感動、感動です。厳しい寒さも忘れて見ほれました。さらに天体望遠鏡でアンドロメダ星雲、二重星団、ヒヤデス星団を見せてもらいました。説明してくださる「星ソムリエ」資格を持つナビゲーターの知識と説明能力に感服いたしました。

2泊目は「清里高原ホテル」です。素晴らしいホテルです。部屋はおしゃれできれい、夕食のフランス料理は最近食べた中ではベストでした。甲州の白ワインはフランスワインより澄んでいて旨味があり、至極の味わいです。露天風呂は温泉で、1等星シリウスとオリオン座が天上に輝いていました。そして「星空観察会」です。このホテルは天文台を持っているのですが、コロナのために閉鎖しているため、ホテルの部屋でスライドを使った説明を聞いた後、近くにある美しの森の駐車場に行き、美しい星空を見ながら星ソムリエの方より星座の説明を聞きました。鑑賞会の後に個人的に、見ることができたら長生きできる「カノープス」、という星を教えてもらいました。カノープスは全天21の1等星のひとつで、シリウスに次いで全天で2番目に明るい星なのに南半球でしか見られません。標高の高い清里では22:30頃になったら南の空に少しだけ顔を出すとのこと。気合を入れて極寒の中、美しの森の展望台まで登り、寒さに耐えてその時を待ち、ついにカノープスを見ました。これでコロナに感染しても大丈夫だ。

目次