胆嚢ポリープとは
胆嚢ポリープとは、胆嚢(たんのう)の内側にできる隆起性の病変のことを指します。ほとんどは良性ですが、まれに悪性(胆嚢がん)に進行することがあるため、定期的な経過観察が必要です。
胆嚢ポリープの種類
胆嚢ポリープにはいくつかの種類があります。
- コレステロールポリープ:最も多く、胆汁中のコレステロールが胆嚢の壁に沈着してできる。
- 炎症性ポリープ:胆嚢炎などの炎症によって生じる。
- 過形成性ポリープ:胆嚢の粘膜が過剰に増殖してできる。
- 腫瘍性ポリープ(腺腫):まれだが、がん化する可能性がある。
胆嚢ポリープの原因
胆嚢ポリープの原因は明確には分かっていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。
- 脂質代謝異常(コレステロールの蓄積)
- 胆汁の流れの異常
- 慢性的な胆嚢の炎症
- 遺伝的要因
胆嚢ポリープの症状
多くの胆嚢ポリープは無症状で、健康診断や腹部エコー検査で偶然発見されることがほとんどです。ただし、胆石や胆嚢炎を合併している場合には以下のような症状が現れることがあります。
- 右上腹部の違和感や痛み
- 吐き気・嘔吐
- 食後の膨満感
胆嚢ポリープの診断方法
胆嚢ポリープの診断には以下の検査が用いられます。
- 腹部超音波検査(エコー):最も一般的な検査で、ポリープの大きさや形状を確認。
- CT・MRI検査:より詳しい画像診断を行い、悪性の可能性を評価。
- 内視鏡的超音波(EUS):より詳細な胆嚢の内部構造を観察。
胆嚢ポリープの治療方法
胆嚢ポリープの治療方針は、大きさや増大傾向によって異なります。
① 経過観察(小さい良性ポリープ)
- 10mm未満のポリープは、基本的に定期的なエコー検査で経過観察。
- 6か月~1年ごとに検査を受け、成長がないか確認。
② 手術(胆嚢摘出術)
以下の場合は、胆嚢摘出手術(胆嚢摘出術)が推奨されます。
- 10mm以上のポリープ(がんの可能性があるため)
- 急激に成長するポリープ
- 胆石や胆嚢炎を合併している場合
- 悪性の疑いがある場合
定期的な検査をしながら疑わしい場合は専門外来へ紹介します。
胆嚢ポリープの予防と生活習慣
胆嚢ポリープの予防には、生活習慣の改善が重要です。
✅ 脂肪分の多い食事を控える(コレステロールの過剰摂取を避ける)
✅ 食物繊維をしっかり摂取する(胆汁の排出をスムーズにする)
✅ 適度な運動をする(脂質代謝を改善)
✅ 定期的な健康診断を受ける
まとめ
胆嚢ポリープは多くの場合、無症状で経過観察が可能ですが、定期的な検査が重要です。特に10mm以上のポリープがある場合は、専門医の診察を受け、適切な治療を検討しましょう。
【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。