膵炎
膵臓とは、体の背中側にある、食べ物の消化を助ける酵素を分泌や血糖値を調整するホルモン(インスリンなど)を作る重要な臓器です。
膵炎(すいえん)とは、膵臓に炎症が起こる病気です。急性膵炎は肺炎や膀胱炎などと違い、細菌感染(菌による感染)ではなく、タンパク質を分解する酵素である膵液による炎症のため、抗菌薬が効きません。
膵炎の種類
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎の2種類があり、それぞれ原因や症状、治療法が異なりますが、ひどい症状を起こし多く問題になるのは急性膵炎です。
急性膵炎
突発的に何らかの理由で膵臓の膵液が漏れ出し炎症を起こし、短期間で症状が急激に悪化する命に関わる病気です。適切な治療を行えば回復することが多いですが、重症化すると命に関わることもあります。
慢性膵炎
長期間にわたり膵臓に炎症が続き、徐々に膵臓の機能が低下する病気です。膵臓の組織が硬くなり、消化機能やホルモン分泌機能が低下するため、糖尿病のリスクが高まります。
急性膵炎の原因
- アルコールの過剰摂取
- 総胆管結石(胆のうにできる結石が胆管に落ちる)
急性膵炎の原因としてはアルコールと胆石によるものが2大で多いです。男性はアルコールが多く、女性は胆石が多いと報告されています。また、中性脂肪が高すぎる場合も発症のリスクがあり、具体的には500mg/dl以上は内服で下げることが検討されます。
その他稀な原因として薬剤の副作用、 膵管の異常や遺伝的要因、 外傷や手術の影響など様々な原因があります。
急性膵炎の症状
- みぞおちや背中の激しい痛み
- 吐き気・嘔吐
- 発熱
- 食欲不振
膵炎の症状は腹痛と吐き気、嘔吐が多いです。特に急激な上腹部(胃のあたり)〜背中の痛みで発症します。時に発熱を伴いますが、発症してすぐはあまりありません。
胆石が原因となる場合は黄疸や採血での肝機能障害がある場合もあります。
急性膵炎の診断方法
膵炎が疑われる場合、以下の方法で診断をしていきます。
- 問診と診察
- 腹部超音波検査(膵臓が腫れているか評価)
- 血液検査(膵酵素の上昇の有無や肝障害の有無や炎症の評価)
- 尿検査(尿中トリプシノーゲンのテスト)
- 腹部CT・MRI検査
まずは症状や原因となるものがないか?という問診と診察が基本です。その後採血検査や腹部エコー、CTなどで膵臓の炎症の有無を評価します。
膵炎と診断され場合は、総合病院へ受診し入院の上、造影CTで膵臓が壊死している場所がないか?等の検査が必要です。
急性膵炎の治療
急性膵炎の治療は、基本的に入院です。その理由は、一般的な肺炎や膀胱炎などと違って抗生剤の効果が乏しく、たとえしっかり治療を行なっていたとしても日に日に悪化してしまう可能性のある重篤な病気だからです。
- 絶食
- 経腸栄養(早期に)
- 大量点滴による脱水補正
- 鎮痛剤の使用(痛みに対して)
- 抗生剤の投与(重症のみ)
治療法は一時的に絶食としながら、大量に点滴を行い、膵炎によりお腹の中に水が逃げて脱水や循環不全になる体を助けます。また、早期から負担が少ない形で腸から栄養を始めます。
場合によってタンパク分解酵素阻害薬や抗生剤を使用しますが、効果ははっきりしておらず、お守り程度です。血漿交換や内視鏡治療も状態のよっては行われます。
急性膵炎は現代医療において消化器内科がしっかりと体を見ながら治療を行っても、いまだに命に関わったり、後遺症を残す怖い病気です。
まとめ
急性膵炎は現代医療において消化器内科がしっかりと体を見ながら治療を行っても、いまだに命に関わったり、後遺症を残す怖い病気です。
みぞおちや背中の痛み、食欲不振などの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。
参考文献:急性膵炎ガイドライン2021