右の脇腹の痛みは、季肋部痛と表現される肋骨の下と、それよりも少し下側の側腹部という脇腹の痛みです。場所としては下記の図のあたりです。

右の季肋部には、主な臓器としては胆嚢、肝臓、胆管があり、その少し下には腎臓、上行結腸、一部小腸があります。それらの臓器が痛むと右季肋部痛の原因となります。
右季肋部痛で考えられる病気は?
右の季肋部(脇腹)が痛い場合に考えられる疾患について代表的な疾患をまとめます。
胆嚢炎、胆石症、総胆管結石
胆嚢、胆管の症状は右季肋部で出ることが多いです。
胆嚢炎では37℃程度の発熱が伴う場合が多く、総胆管結石では黄疸が出ます。総胆管結石により感染が起こると胆管炎となり、より高熱や重症となります。
肝臓がん
肝臓がんは基本的には症状がありません。なぜなら肝臓自体に痛み神経がないため痛まないからです。そのため強い痛みが出ることは多くはありません。
ただ肝臓がんが酷くなる、破裂するなどした場合は、右の季肋部に痛みが発生する場合があります。
腎盂腎炎
腎盂腎炎は、尿路感染症とも言われ、おしっこから菌が入る感染症です。おしっこから入った菌が腎臓まで入ってしまう病気です。38℃を超える発熱と、シバリングというガタガタ震えることが起こります。右の腎臓に炎症を起こした際には右のお腹が痛いという症状も起こりえます。
尿管結石
腎臓でできた結石が、尿管という細い管に詰まることで発症します。人間が感じる痛みの中でもかなり強いと言われており、よく救急外来に受診されます。
放っておくと腎盂腎炎になったり、腎臓の機能が悪くなってしまいます。とにかく痛いのが特徴です。
上行結腸炎(腸炎)
大腸がん(上行結腸)
上行結腸は右脇腹にあるため、この部分に腫瘍があり、腸の通りが悪くなると痛みが出ることもあります。ただ、痛みが強く出ないケースもあります。
また、大腸がんの場合には、血便、体重減少、食欲不振、便秘などの症状をともない、症状も短期間ではなく長期にわたる特徴があります。
症状が長く続く場合には病院への受診や大腸カメラ検査も検討されます。
便秘
診断方法は?
右の腹部痛がひどい場合は、診察でまずは疾患のあたりをつけ、腹部エコーや採血、場合によってはCTにて調べます(当院はないため、医師会CTか紹介となります)また、大腸の症状が疑われば大腸カメラを行う場合もあります。(最優先ではありません)
特に胆嚢は腹部エコーでよく見えるため、エコーにて診断がつく場合も多いです。
まとめ
腹部は痛みが起こる場所によって原因となる疾患が異なり、詳しくは医師の診察を受ける必要があります。また、そのほかの部分の痛みに関しては下記で説明しています。
