骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨の密度が低下し、もろくなってしまう病気です。骨粗しょう症となると骨折のリスクが高まり、特に高齢者や閉経後の女性に多く見られます

非常にありふれた病気であり、有病率は男性300万人、女性980万人で1,280万人にものぼると推計されています。

特に症状なく骨折で発見されることも多く、骨折は生活に大きく影響を与えるため早期に発見し、適切な対策を取ることが大切です。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の予防にはカルシウムやビタミンD、適度な運動が重要です。また、骨粗しょう症を引き起こすリスクとされているものとしては

  • 加齢:年齢とともに骨の密度が低下します。
  • 女性ホルモンの減少:閉経後にエストロゲンの分泌が減少し、骨密度が急激に低下します。
  • 栄養不足:カルシウムやビタミンDが不足すると、骨の形成が妨げられます。
  • 運動不足:適度な負荷をかける運動が不足すると、骨が弱くなります。
  • 喫煙や過度の飲酒:骨の健康に悪影響を及ぼします。アルコールは1日3単位以上
  • 遺伝的要因:家族に骨粗しょう症の方がいる場合、発症リスクが高まることがあります。
  • ステロイドの使用:ステロイド薬の使用により骨が弱くなります

などがあります。特に女性は閉経とともに女性ホルモンの枯渇により、骨稜が著しく低下することが多く注意が必要です。

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症は初期には自覚症状がほとんどありません。進行し骨折を引き起こすと以下の症状が現れることがあります。

  • 背中や腰の痛み
  • 身長の低下(圧迫骨折によるもの)
  • 背中が曲がる(円背)
  • ちょっとした転倒で骨折する(特に背骨、大腿骨、手首の骨折が多い)

骨粗しょう症の診断方法

骨粗しょう症の診断には、以下の検査が行われます。

  • 骨密度測定(DXA検査):骨の強さを測定する検査です。
  • 血液・尿検査:骨の代謝状態を確認します。
  • X線検査:骨折の有無を確認します。

骨密度検査により、若年の人との骨密度の差をみて(YAM)、それが70%以下が骨粗しょう症と診断されます。

骨折を引き起こすと手術が必要になったり後遺症など不可逆的なため早めの診断と適切な治療が、骨折を防ぐ鍵となります。

骨粗しょう症の治療方法

① 生活習慣の改善

骨粗しょう症の進行を防ぐためには、生活習慣の改善が重要です。

  • カルシウムを多く含む食品を摂る(牛乳、チーズ、小魚、豆腐など)
  • ビタミンDを意識する(日光を浴びる、魚類やキノコ類を摂取)
  • 適度な運動をする(ウォーキングや筋力トレーニング)
  • 転倒を防ぐ工夫をする(家の中の段差をなくす、滑りにくい靴を履く)

② 薬物療法

骨粗しょう症の進行を抑えるために、医師の判断により以下の薬が処方されることがあります。

  • ビスホスホネート製剤:骨の吸収を抑え、骨密度を維持します。
  • SERM(選択的エストロゲン受容体調整薬):閉経後の女性に有効です。
  • 副甲状腺ホルモン製剤:骨の形成を促進します。
  • ビタミンD・カルシウム製剤:骨の健康をサポートします。

治療の選択肢は、患者さんの状態によって異なるため、医師と相談しながら適切な治療を受けましょう。

骨粗しょう症の予防

骨粗しょう症を予防するためには、日常生活の工夫が重要です。

バランスの良い食事を摂る(特にカルシウム・ビタミンDを意識)
適度な運動を習慣にする(ウォーキングやスクワットなど)
日光を適度に浴びる(ビタミンDの生成を助ける)
喫煙・過度な飲酒を控える
定期的に骨密度をチェックする

なによりも骨折を引き起こす前に骨密度が低下していることを発見し、治療を行うことが重要です。

まとめ

骨粗しょう症は、早期発見と適切な治療・予防が大切な病気です。特に、閉経後の女性や高齢者はリスクが高いため、定期的な骨密度検査を受けることをおすすめします。

また、静岡市では30歳以上の女性に骨粗しょう症健診をおこなっており一度健診を受けることをお勧めします。

気になる症状がある場合や骨密度が気になる方は、お気軽に医療機関にご相談ください。


【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。