仮面高血圧とは?見逃されがちな「隠れ高血圧」に注意を

仮面高血圧

仮面高血圧とは

仮面高血圧とは、医療機関で測定した血圧は正常でも、自宅や職場など日常生活の中で血圧が高くなる状態を指します。診察室で血圧が高くなる白衣高血圧の逆です。

外来血圧は正常であるため、通常の健康診断では見逃されることが多く、放置すると脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まるとされています。

家庭血圧と外来血圧のギャップ

仮面高血圧は病院では血圧が正常のため健診などでは発見されにくく、診断されにくいことが特徴です。

ただ、仮面高血圧は以下のようなケースで気づかれることがあります。

  • 家庭で測った血圧が高い
  • 職場でのストレス時に頭痛や動悸がする
  • 夜間や早朝に血圧が高いと感じる

そのため、家庭での血圧を測定することが大切です。

仮面高血圧の原因

仮面高血圧の背景には、さまざまな要因があります。たとえば、早朝や夜間など診察を行わない時間に血圧が高い場合は仮面高血圧になりえます。

高リスクな人の特徴は下記にです。

  • ストレスが高い人
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病のある方
  • 喫煙者
  • アルコール多飲者
  • 運動不足

原因①ストレスや喫煙

職場でのストレスや喫煙習慣がある方に多く見られます。交感神経が過剰に刺激され、血圧が上昇します。

原因②睡眠時無呼吸症候群(SAS)

無呼吸によって夜間に血圧が上昇し、仮面高血圧となるケースもあります。

原因③糖尿病・肥満

血管機能が低下していると、日常の活動に伴い血圧が上がりやすくなります。

そのほかにもアルコールや喫煙も影響があります。

放置するとどうなる?

仮面高血圧は通常の診察では見逃されやすいにもかかわらず、実は仮面高血圧は、血圧が高くない人や白衣高血圧と比較して「持続性高血圧」と同程度、あるいはそれ以上に心血管イベントのリスクが高いとされています。

主なリスクとしては

  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 腎機能障害

があり、放置することで重大な病気につながる可能性があります。

仮面高血圧の診断方法

仮面高血圧は病院及び自宅にて血圧をはかることで診断が可能です。

家庭血圧測定を行う

朝・晩の決まった時間に血圧を測定し、記録をつけることが推奨されます。血圧の測定方法については下記で解説しています。

病院で血圧が高い原因を調べる

仮面高血圧とされた場合は、普通の高血圧より2次性の高血圧(そのほかの病気による影響の高血圧)の可能性が高いともされており、患者さんの状態に応じて原因を調べます。

また、高血圧は動脈硬化や心臓、腎臓への負担をおこしている場合があり、そのための心電図や尿検査を行う場合があります。

仮面高血圧の治療と対策

仮面高血圧は高血圧と同様に放置せず、適切な治療が必要です。

生活習慣の見直し

高血圧同様に生活習慣の改善が仮面高血圧の改善には重要です。

  • 減塩(1日6g未満が目標)
  • 禁煙・節酒
  • 睡眠の質を高める
  • 適度な運動(ウォーキングなど)

また、禁煙やしっかり寝る、生活のストレスをなくすことも大切なことです。

必要に応じた薬物治療

高血圧同様のリスクがあることが知れれているため、自宅での血圧を判断しながら降圧薬の導入を検討します。とくに高リスクの方には、日常の血圧に合わせたタイミングでの服薬が効果的です。

まとめ

仮面高血圧は病院では一見異常がなく、心配がないように感じますが、普通の高血圧と同様のリスクがあることが知れれており、侮れない状態です。

  • 家庭でも血圧を測って、自分の血圧の傾向を知る
  • 生活習慣を整えて、血圧が上がりにくい体づくりをする

「家で血圧が高い」と感じたら、高血圧や仮面高血圧の可能性を考えて、日々の血圧管理を続けていきましょう!

参考文献

みどりのふきたクリニック

診療科目循環器内科、消化器内科、内科、訪問診療
場所静岡市葵区大岩町4-23 
アクセス静清バイパス唐瀬ICから5分 城北公園の近く
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