胃がんとは?

胃がんとは

胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍のことを指します。初期には自覚症状がほとんどないことが多いため、早期発見が重要です。日本では比較的発症率が高いがんの一つですが、近年は内視鏡検査の普及により、早期発見・早期治療が可能になっています。

胃がんの原因

胃がんの主な原因として、以下の要因が考えられています。

  • ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染:持続的な胃の炎症を引き起こし、がんの発症リスクを高める。
  • 塩分の多い食事:漬物や干物、加工食品の摂取が多いとリスクが上がる。
  • 喫煙:胃の粘膜を傷つけ、がんの発症リスクを増加させる。
  • 過度な飲酒:特に強いアルコールの摂取がリスク要因となる。
  • 遺伝的要因:家族歴がある場合、発症リスクが高まる。

この中で一番重要なのがピロリ菌の感染です。胃癌を発症するほとんどの方にピロリ菌感染との関連があります。

胃がんの症状

胃がんの初期は無症状のことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

胃の不快感や痛み
食欲不振や体重減少
胸やけや吐き気
黒色便(胃からの出血による)
貧血(鉄欠乏性貧血による倦怠感)

症状は急激ではなく慢性的な変化であることが多く、症状があまりない場合もあります。

胃がんの診断方法

胃がんの診断には、以下の検査が行われます。

  • 内視鏡検査(胃カメラ):最も確実な検査方法で、粘膜の異常を直接観察し、必要に応じて組織を採取(生検)。
  • バリウム検査(胃X線検査):胃の形状を確認し、異常の有無を調べる。
  • CT・MRI検査:がんの進行度や転移の有無を評価する。
  • 血液検査:腫瘍マーカー(CEA、CA19-9 など)の測定。

しかし、多くは内視鏡検査にて発見、診断を行います。内視鏡は胃癌を発見するためのほか、組織をとって治療方針を決める、内視鏡治療が可能か評価する、手術範囲を決めるなど様々な目的で行われます。

胃がんの治療方法

胃がんの治療法は、病期(ステージ)や患者さんの状態に応じて選択されます。

内視鏡治療(早期胃がん)

  • 内視鏡的粘膜切除術(EMR):がんのある粘膜を切除。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):早期の癌であれば内視鏡で切除可能。

早期に胃癌を発見できれれば内視鏡での治療が可能です。

外科手術(進行胃がん)

  • 胃部分切除術:がんがある部分の胃を切除。
  • 胃全摘術:胃全体を切除し、消化管を再建。

進行している場合には手術での根治治療(治しきる治療)が行われます。

化学療法(抗がん剤治療)

  • 手術後の再発予防や、進行がんに対する治療として実施。

現在は術前に癌を小さくするためや、手術で取りきれない癌の状態で発見された場合に化学療法が行われます。また、再発した場合にも多くは化学療法となります。

放射線療法

  • 手術や化学療法と併用することもある。

基本的には胃癌には放射線治療は行われません。しかし出血のコントロールが効かないなどで姑息的(症状と抑える目的)で施行されることがあります。

胃がんの予防と生活習慣

胃がんのリスクを減らすためには、以下の対策が重要です。

ピロリ菌の除菌治療を受ける
塩分を控えた食事を心がける
バランスの取れた食生活をする(野菜や果物を積極的に摂取)
禁煙・節酒を実践する
定期的に胃がん検診を受ける(特に50歳以上の方)

1番はやはりピロリ菌の検査をうけ、陽性であれば除菌治療を受けること。定期的な検査を受けて早期発見に努めることが大切です。

静岡市では、市の健診として50歳以上の方は2年に1回検診を受けることができます。ぜひ有効活用するようにしましょう。

また、便の色の変化を起こすことがあるため便の観察も重要だと思います。

まとめ

胃がんは早期発見・早期治療が鍵となります。ピロリ菌の検査・除菌、定期的な胃カメラ検診を心がけることで、リスクを減らすことができます。異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。


【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。