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心臓と腎臓の健康を守るために気をつけてほしいこと

心臓と腎臓の健康はなぜ大切?

健康診断の結果を見て、「血圧が少し高めですね」「血糖値に注意が必要です」「腎臓の数値が気になります」といった指摘を受けたことはありませんか?

これらのサインは、将来の大きな病気を未然に防ぐための体からのメッセージかもしれません。

特に「心臓」と「腎臓」は、私たちの体の中で互いに深く影響し合っています。どちらかの調子が悪くなると、もう一方にも負担がかかり、病気のリスクが高まってしまいます。

この記事では、心臓と腎臓の健康を守るために、知っておいていただきたいポイントを、内科医の視点からできるだけわかりやすくご紹介します。

心不全、腎不全という状態とは?

心不全と聞くと、突然心臓が止まるような病気を想像される方もいるかもしれません。しかし実際には、「心不全」とは心臓のポンプ機能が弱まり、全身に十分な血液を送り出せなくなった“状態”を指します。

つまり心臓がうまく働けなくなることです。

心不全の症状としては、息切れ、足のむくみ、だるさ、夜間の頻尿などが見られることがあります。一度心不全になると、進行しやすい側面もありますが、しっかりとした治療と異常への早期の対処と継続的なケアで進行を遅らせることが可能です

腎不全とは文字通り腎臓がうまく働くなくなることです。完全に腎臓がうまく働けなくなると、人工透析となります。

腎臓はあらゆる血液の老廃物の濾過や排泄をおこなっているほか、水分の調節もおこなっているため、腎臓がうまく働けないと、体に水が溜まりやすくなったり、老廃物がたまってしまって食欲がなくなったりします。

しかし、早期のうちはほぼ症状がなく、病院では尿検査にて蛋白尿がでていないか?腎臓の採血結果(CreやeGFRなど)で症状が出る前に発見して対応します。症状が出る前に対応しなければ悪化を容易には止められません。

心臓と腎臓は関連性が高い

心臓と腎臓は実は密接な関係です。

なぜなら、心臓は血液を全身に送り出す役割を、腎臓はその血液をろ過し不要な水分や老廃物を体の外へ出す役割を担っています。この2つはまさに「連携プレー」で体を支えている存在です。

腎臓の働きが悪くなると、体に余分な水分や塩分が溜まり、それが心臓に負担をかけてしまいます。

逆に、心臓の機能が落ちると、腎臓への血流が減り、腎機能も低下します。このような心臓と腎臓の悪循環は、「心腎連関(cardiorenal syndrome)」とも呼ばれ、近年注目されています。

だからこそ、どちらか一方ではなく、心臓と腎臓の両方の健康を同時に意識することがとても重要です。

心臓、腎臓を悪くしないためには生活習慣病の管理が予防には重要

高血圧糖尿病脂質異常症といった生活習慣病は、心臓や腎臓の病気の最大のリスク要因です。

また、これらの病気は症状はほとんどありませんが、放置して進行すると、やがて心不全や腎不全な重篤な疾患へとつながることがあります。

なぜならそれぞれ高血圧、糖尿病、脂質異常症は

ことが知られています。健康診断でこれらの異常を指摘されたら、「まだ症状がないから大丈夫」と思わずに、医師と一緒にしっかり管理していくことが何より大切です。

日々の習慣の改善が大切(食事・運動・禁煙など)

心臓と腎臓に優しい生活は、日々の習慣の積み重ねから生まれます。以下の4つを特に意識してみてください。

塩分を控える(減塩)

塩分の摂りすぎは血圧を上げ、むくみを引き起こします。加工食品や外食を控えめにし、家庭では「薄味」を心がけましょう。日本人は塩分が多い方も多く、減塩は高血圧の生活習慣の改善の一丁目一番地です。

栄養バランスのよい食事

タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを偏りなく摂ることや、栄養についてしっかりと考え知ることで、病気の改善や防ぐことにつながります。当院では栄養指導もおこなっています。

無理のない運動

軽いウォーキングやストレッチなど、“心地よい範囲”で体を動かす習慣が、血流を改善し、心臓と血管を守ります。

禁煙を徹底する

喫煙は血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。心臓や腎臓にとって最大の敵の一つです。

これらは気軽にはじめることができますが、効果は絶大で、副作用もほぼありません。ぜひ自分のできることから始めてみましょう

体のちょっとした変化に敏感になる

心臓や腎臓の病気は、初期には症状があまり出ないことも多いのが特徴です。だからこそ、自分の体の変化を見逃さないことがとても大切です。

たとえば、

  • 毎朝の血圧測定
  • 定期的な体重の記録
  • 「なんだかだるい」「むくみが取れない」といった感覚の変化

こうした“小さなサイン”を感じたときは、早めにかかりつけのクリニックにご相談ください。特に体重が急に2kg以上増える場合は、体内に水分が溜まっている可能性があり、心不全の兆候かもしれません。

もし体調の変化があればはやめにご相談ください。

おわりに

心臓と腎臓は、あなたの体を支えるチームのような存在で健康に生活する上ではなくてはならない臓器です。

だからこそ、悪化すると大きな体調の変化になりかねません。そのため、異変にできるだけ早めの気づくことと、日々のちょっとした心がけがとても大切なのです。

私たち「みどりのふきたクリニック」は、皆さんがいつまでも健康でいられるように、心と体の両面からサポートを行っています。不安なことがあれば、どうぞいつでもご相談ください。

みどりのふきたクリニック

診療科目循環器内科、消化器内科、内科、訪問診療
場所静岡市葵区大岩町4-23 
アクセス静清バイパス唐瀬ICから5分 城北公園の近く
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