ピロリ感染性胃炎とは?

ピロリ感染性胃炎とは?患者さんのためのわかりやすい解説

ピロリ感染性胃炎とは

ピロリ感染性胃炎とは、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)という細菌が胃に感染することで起こる慢性的な炎症のことです。放置すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんのリスクが高まるため、早期発見と適切な治療が重要です。

ピロリ菌感染の原因

ピロリ菌は主に幼少期に感染し、一度感染すると除菌しない限り胃の中に住み続けます。感染経路として、以下のようなものが考えられます。

  • 飲み水や食事を介した感染(衛生環境が不十分な場合)
  • 家族内感染(親から子への感染が多い)
  • 口から口への感染

ピロリ感染性胃炎の症状

ピロリ菌に感染していても、自覚症状がないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • 胃の不快感や痛み
  • 胃もたれや食欲不振
  • 吐き気
  • げっぷが多くなる
  • 腹部の膨満感

ピロリ菌感染が長期間続くと、慢性胃炎となり、胃の粘膜が萎縮し、胃がんのリスクが高まります。

ピロリ菌の診断方法

ピロリ菌の感染を調べるために、以下の検査が行われます。

  • 尿素呼気試験:呼気を採取してピロリ菌の有無を判定
  • 血液検査:ピロリ菌に対する抗体の有無を調べる
  • 便検査:ピロリ菌の抗原を調べる
  • 内視鏡検査(胃カメラ):胃粘膜の状態を確認し、組織を採取して検査

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌の感染が確認された場合は、除菌治療が推奨されます。除菌治療では、2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)を1週間服用します。

  • 除菌成功率は約70~90%
  • 1回目の除菌が失敗した場合は、別の薬を使って再度除菌を試みる
  • 除菌後も定期的な検査が推奨される

ピロリ菌感染の予防

ピロリ菌の感染を予防するためには、以下の対策が重要です。

衛生的な環境を保つ(清潔な飲料水・食事の管理)
家族に感染者がいる場合は検査を受ける
食生活を整え、胃の健康を維持する
定期的に胃の検査を受ける(特に胃がんリスクの高い人)

まとめ

ピロリ感染性胃炎は、自覚症状が少なくても放置すると胃潰瘍や胃がんの原因となる可能性があります。早期発見・早期治療が重要ですので、胃の不調を感じる場合や家族にピロリ菌感染者がいる場合は、一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。


【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。