はじめに
血圧が高いと言われても、「まだ症状がないし、本当に治療が必要なのだろうか?」と感じる方は少なくないと思います。なぜなら血圧が高くても症状があまりないため、治療をする理由がはっきりしないからです。
しかし、高血圧は心臓や血管に負担が積み重なる状態であり、症状がなくても長年継続することで血管や心臓に負担がかかるため、コントロールすることで重篤な疾患のリスクを下げられることが示されていもいます。
この記事では、血圧を下げる理由のなぜ?をできるだけわかりやすく説明します。
血圧を下げる一番の目的は将来の病気を防ぐことである
高血圧の治療の目標は、症状を改善したり目先の血圧の数値だけをよくするためではありません。そのため効果が実感しにくいかと思います。
しかし、血圧の治療はまだ起きていない病気を防ぐことこそが最も重要な目的です。
血圧は動脈硬化を進行させる
どのように防いでいくか?というと動脈の負担を減らし、血管を守ることで防いでいきます。
血圧が高い状態が続くと、血管の壁に常に強い力がかかり、ゆっくり傷んでいきます。これが進むと、血管の内側が硬くなる動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化 → 血流が悪くなる → 心臓・脳・腎臓の病気につながる
という経過で増悪していきます。そして血圧を下げコントロールすることは、この負の連鎖を止める大切な役割があり動脈硬化の進行を防ぎさらにはその先の大病を防ぎます。ではどのような病気を予防できるとされているでしょうか?
血圧を下げることで予防できる病気は?
血圧コントロールは、さまざまな重大な病気の予防につながります。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)
高血圧は脳卒中の最大の危険因子です。
血圧を10mmHg下げるだけでも、脳卒中の発症リスクは大きく下がると報告されています。
「脳梗塞や脳出血を防ぐために血圧を下げる」というのは医学的根拠が非常に確立しています。
心不全・心筋梗塞
高い血圧は心臓に「押し戻す力」が増えるため、心臓が強く働かないと血液を送れません。
その負担が続くと、心臓は疲れ、弱っていきます。
- 心臓が弱る → 心不全
- 冠動脈が傷む → 心筋梗塞
血圧を下げることで、これらのリスクを確実に下げられることが研究で示されています。
腎臓の保護(腎不全の進行を遅らせる)
腎臓は細い血管が密集した臓器です。
血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管が傷がつくなどで腎機能が徐々に低下します。
はじめは採血のデータはあまり変化せず、蛋白尿という形で現れてきます。そのため、高血圧がある方は尿検査などで蛋白尿を検査しておくことは重要で、早めの血圧コントロールすることで腎臓の負担を減らし、慢性腎不全を防ぎます。
「症状がなくても治療が必要」な理由
高血圧は多くの場合、無症状のまま進む“サイレントキラーと呼ばれます。
「頭痛がないから大丈夫」「日常生活に問題がない」と感じても、血管ではゆっくりと変化が進んでいることがあります。
病気が起きてからでは遅い
脳卒中や心筋梗塞は、起こってしまうと生活に大きな影響が残ることがあります。
そのため治療の焦点は、起こってから対処するのではなく、健康な今のうちに、リスクを減らすことにあります。
年齢とともにリスクが上がる
また、血圧でのダメージは蓄積していくため、40〜50代以降など年齢が上がる場合は病気のリスクが高くなります。
静岡市の健診などで「血圧が高め」と言われた方は、早めにライフスタイルの見直しを始めることが大切です。
血圧を下げるためにできることは?
血圧対策は薬だけではありません。生活習慣の工夫でも大きな改善が期待できます。
当院ではまずは生活習慣の改善を第一に考え説明を行なっています。
生活習慣はなにをすればいい?
生活習慣の改善は具体的にはなにをすればよいか?というと
- 食塩を控える(目安は1日6g未満)
- 野菜を意識して増やす
- 体重のコントロール、カロリーを摂り過ぎない
- 1日30分の軽い運動を行う。
- お酒は控えめに
- 禁煙を行う
などがあります。特に減塩は血圧において大きな影響を及ぼしており、また日本人が多くなりがちなものであるため、減塩から気を付けてみることは大切だとお思います。
また、これらの改善はどれも、血圧だけでなく、コレステロールなど全身の健康にも良い影響がありどんな方でも気を付けてみると良いことだと思います。
自分だけでは実施できない、詳しく情報を得ながら改善をしたいという方は、CureAppという生活習慣改善アプリを用いた血圧の治療も行なっています。(6ヶ月間)こちらの方法も保険適応されています。

当院で行っているサポートは?
みどりのふきたクリニックでは、
- 血圧の測り方のアドバイス
- 生活習慣の相談
- 必要に応じて薬による治療
を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行っています。薬はできれば飲みたくないという患者さんのお気持ちも大切にしており、血圧の水準によってはまずは生活習慣で改善できる部分を一緒に探しながら、無理のない血圧管理を目指します。
ただ、リスクや状況によって必要とあれば投薬での治療も検討し、しっかりとしたリスクの低下を目的とした治療を行います。
まとめ
今回は血圧はなぜ下げた方がいいのか?について触れました。
血圧を下げる目的は、「今より良くなること」ではなく、「先々の病気を防ぐこと」です。
症状がなくてもコツコツ対策を続けることで、10年後・20年後の健康が大きく変わります。血圧が気になる方は、いつでもお気軽にご相談ください。
