健康診断で血圧が高めと言われた方へ
「血圧が少し高いですね」と言われたものの、症状がないからと放置していませんか?検診で高血圧と指摘があったけど放置してしまう方もいるのではないでしょうか。
高血圧は、自覚症状がほとんどないまま進行する「サイレントキラー」とも呼ばれる病気です。そのままにしておくと、心臓病・脳卒中・腎障害など重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
当クリニックでは、内科・循環器内科・消化器内科の3つの専門領域から多角的に診療し、食事・運動・検査・治療のすべてを一貫してサポートしています。

高血圧のリスクと生活習慣の関係
高血圧は生活習慣との関連が大きい病気と言われています。まずはそれらを気をつけることもとても大切です。
食事と高血圧の関係について
塩分(ナトリウム)の過剰摂取は、血圧上昇の大きな要因です。世界保健機関(WHO)では、1日の塩分摂取量を5g未満に抑えることを推奨しています。また、日本高血圧学会では1日6g未満を推奨しています。
それらを達成するために加工食品や外食が多い方は、調味料や漬物を控えめにし、香辛料や出汁で工夫するとよいです。また、同時に、カリウムを多く含む食品(野菜・果物・豆類など)を取り入れることで、体内のナトリウム排出を促進し、血圧のコントロールに役立ちます。
塩分だけではなく脂質の種類も見直しが必要です。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は血管を傷つけやすいため、青魚やナッツ類、不飽和脂肪酸の多いオリーブオイルなどに置き換えるのが効果的です。当院では栄養指導を行い、生活習慣自体の改善も目指していきます。

運動とストレス管理と高血圧の関係について
血圧管理には、運動も重要だと言われています。定期的な有酸素運動(ウォーキング・自転車・水泳など)が効果的です。週150分(1日30分×5日)を目安に、無理のない範囲で続けましょう。運動により血管の柔軟性が保たれ、心臓への負担も軽減されます。
一方、ストレスは交感神経を刺激し、一時的に血圧を上昇させることがあります。深呼吸や瞑想、趣味の時間を取り入れるなど、自分に合ったリラックス法を日常に取り入れてみましょう。
睡眠・禁煙・体重・胃腸の調子も血圧に影響します
睡眠不足は血圧を高める一因です。毎日同じ時間に寝起きし、6~8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。さらに喫煙や過度の飲酒も避けるべきです。また、肥満は高血圧のリスクを大きく高めます。
当クリニックの消化器内科では、胃腸の不調や便通、腸内環境なども含めた全体的な体調の評価を行い、継続しやすい食事改善・体重管理の提案をしています。
当院で行う高血圧に関する検査
高血圧の背景には、心臓・腎臓・代謝などの機能が関わっているため、以下のような検査を組み合わせていきます。
高血圧がある場合には、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を合わせて持っている方もいらっしゃるため、それらについても定期的にフォローしていきます。
- 血液検査(腎機能・血糖・脂質など)
- 尿検査(蛋白尿などの有無)
- 心電図・ホルター心電図
- 頸動脈エコー
- 腹部エコー・胃内視鏡(消化器症状がある場合)
内科・循環器・消化器の連携により、全身を包括的に評価することができます。それにより症状が起きてから診断ではなく、早期に発見することを目指します。
内服治療が必要になる場合もあります
生活習慣を見直しても血圧が目標値まで下がらない場合、医師の判断で降圧薬(ARB・Ca拮抗薬・利尿薬など)による治療を開始することがあります。
それぞれの薬剤に特性があるため、1つまたは複数を患者さん一人ひとりの体質や生活背景に合わせた治療することが大切になります。
まとめ:日常の小さな積み重ねが大きな予防に
高血圧は、食事・運動・睡眠・ストレスなど、日々の生活の影響を大きく受ける病気です。
だからこそ、予防も改善も「今日から始められること」から可能です。
- 減塩と野菜中心の食生活
- 週150分の有酸素運動
- 質の良い睡眠と体重管理
- ストレスケア
- 定期的な健康診断と受診
高血圧の予防・管理について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、内科・循環器・消化器の専門性を活かしながら、患者さんの健康をトータルでサポートすることを目指します。
当院通院中の方はもちろん、血圧を検診で指摘された。高いと言われたけど放置してしまっている。とういうような方はぜひご相談ください。
参照文献
- He FJ, MacGregor GA. Role of salt intake in prevention of cardiovascular disease: controversies and challenges. Nat Rev Cardiol. 2018 Jun;15(6):371-377.
- https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.119.015719
- Sacks FM, et al. Dietary Fats and Cardiovascular Disease: A Presidential Advisory from the AHA. Circulation Research, 2017.
- Cornelissen VA, Smart NA. Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis. J Am Heart Assoc. 2013 Feb 1;2(1):e004473.
- Spruill TM. Chronic psychosocial stress and hypertension. Curr Hypertens Rep. 2010 Feb;12(1):10-6.