憩室出血
憩室出血(けいしつしゅっけつ)とは、大腸の壁にできた憩室(袋状のくぼみ)から出血する状態を指します。憩室そのものは無症状ですが、憩室の血管が破れることで出血を起こすことがあります。
憩室出血は、大腸からの出血の中でも比較的多い原因とされており、特に高齢者に多くみられます。
憩室出血の原因
✅ 加齢による血管の脆弱化
✅ 高血圧による血管への負担
✅ 便秘による腸内圧の上昇
✅ 抗血栓薬(血をサラサラにする薬)の服用
✅ アルコールや喫煙などの生活習慣
憩室出血の原因には色々と言われていますが、まずは加齢や便秘などにより憩室ができることが第一段階です。
憩室自体は年齢とともに比較的珍しくない頻度でできるため、大腸カメラの検査を行うと指摘されることはあります。
その憩室から出血を起こすことが憩室出血であり、そのリスクには動脈硬化や血液をサラサラにする薬が言われています。
憩室出血の症状
✅ 突然の大量の血便(鮮血~暗赤色)
✅ 腹痛はない、または軽度
✅ 貧血症状(めまい、動悸、息切れ)
✅ 出血量が多いと血圧低下や意識障害を起こすことも
憩室出血は一般的に、痛みを伴わずに大量の血便が出るのが特徴です。その点で痛みを伴う虚血性腸炎や細菌性腸炎と区別ができます。大量の血便の場合は、ゼリーのような血液が出ることも特徴であり、それらが出た場合にはすぐに病院へ受診することが必要です。
憩室出血の診断方法
憩室出血が疑われる場合、医師は以下の検査を行います。
- 問診と診察
- 大腸内視鏡検査(出血部位の特定)
- CT検査(造影剤を使用して出血源を確認)
- 血液検査(貧血や炎症の有無を確認)
憩室出血の治療方法
① 軽症の場合(自然止血)
憩室出血は、多くの場合自然に止血します。そのため、まずは安静にして経過を観察します。ただ、比較的多く出血も伴うため基本的には入院での経過観察が必要です。
- 水分補給をしっかり行う
- 貧血の有無を確認する
- 抗血栓薬を服用している場合は一時的に中止を検討(医師の指示に従う)
② 出血が続く場合
出血が止まらない場合は、以下の治療が必要になります。
- 内視鏡的止血術(クリップや注射で出血を止める)
- 血管塞栓術(カテーテルを使い出血している血管を塞ぐ)
- 手術(大量出血が続く場合)
CTの検査で出血が明らかな場合は緊急で大腸カメラを行い、止血処置が必要だったり、最悪の場合は手術が必要となります。
まとめ
憩室出血は、突然の血便として現れることが多いですが、ほとんどは自然に止まります。しかし、大量出血の場合は迅速な治療が必要となるため、早めに医療機関を受診することが大切です。
【注意】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。