症状から調べる:黄疸(目や皮膚が黄色い)

黄疸がある

黄疸とは

黄疸(おうだん)とは、血液中の ビリルビン という色素が増えることで、皮膚や白目(眼球結膜)が黄色くなる状態を指します。

黄疸は通常ゆっくりとすすむため、自分ではなかなか気づきにくいケースもあります。

黄疸の症状とは

黄疸の単独での症状は”目の白目が黄色くなる””おしっこが黄色くなる””便が白くなる”などです。通常は痛みはなく、黄疸が進行するとかゆみ(掻痒感)が出現します。

黄疸の症状
黄疸の症状

これらは急激に起こらず、徐々に現れてくる症状のため、意外と自分自身では気づきにくく、他人から指摘されて気付く方も多いです。しかし、黄疸は放ってはおけない症状です。

黄疸の原因と考えられる病気

黄疸の原因はさまざまな原因があります。

代表的な例は下記の通りです。肝臓や胆道、赤血球の異常によって引き起こされます。

黄疸の種類特徴
溶血性黄疸(赤血球の異常)赤血球が過剰に壊され、ビリルビンが急増する
肝細胞性黄疸(肝臓の異常)肝臓でビリルビンの処理ができず血中に蓄積する
閉塞性黄疸(胆管、胆嚢の異常)胆汁の流れが詰まり、ビリルビンが排泄されない

それぞれの原因によって対処が全く変わります。また、ひどい黄疸は肝臓や胆管に病気ができて場合に起こっているケースが多いです。

胆管、肝臓の図示
胆管、肝臓の図示

原因の例としては下記のようなものがあります。*これだけにはとどまりません。

急性肝炎
  • 症状:発熱、倦怠感、食欲不振、黄疸
  • 原因:ウイルス(A型・B型・C型肝炎)、薬剤の副作用
  • 特徴:一時的な肝機能障害で、回復することも多い
肝硬変
  • 症状:黄疸、腹水、手のひらの赤み(手掌紅斑)、くも状血管腫
  • 原因:ウイルス性肝炎、アルコール、多量の脂肪肝
  • 特徴:肝臓が硬くなり、血液の流れが悪くなる
肝がん
  • 症状:黄疸、食欲不振、体重減少、右上腹部の痛み
  • 原因:B型・C型肝炎の慢性化、肝硬変
  • 特徴:進行すると黄疸が強くなる
胆管結石(総胆管結石)
  • 症状:突然の激しい腹痛(右上腹部)、黄疸、発熱
  • 原因:胆石が胆管を塞ぎ、胆汁の流れが止まる
  • 特徴:胆石が自然に排出されない場合、治療が必要
胆管炎

胆管炎は黄疸と発熱、腹痛を伴う感染症です。そのため、急激に悪化していきすぐに治療が必要です。

  • 症状:黄疸、発熱、右上腹部痛(シャルコーの三徴候)
  • 原因:胆管の細菌感染
  • 特徴:急激に悪化するため、早急な治療が必要
胆管がん、膵臓がん
  • 症状:黄疸、かゆみ、体重減少
  • 原因:胆管や膵臓の悪性腫瘍
  • 特徴:閉塞性黄疸を引き起こし、進行が早い
溶血性貧血
  • 症状:黄疸、貧血、脾臓の腫れ
  • 原因:赤血球の破壊が増加する疾患(自己免疫疾患など)
  • 特徴:肝臓の異常がないのに黄疸が出る
体質性黄疸

病院に行くべき黄疸とは?

黄疸が出ている場合は、も基本的には病院への受診が必要です。経過をみていい黄疸はほぼないと考えます。

受診するなら何科に行くべき?

黄疸の原因によって疾患が変わりますが、基本的には消化器内科への相談が良いと思います。

症状・病歴推奨される診療科
肝臓の異常を指摘されたことがある消化器内科(肝臓専門)
右上腹部の痛みを伴う黄疸消化器内科(胆のう・胆管専門)
体重減少や食欲不振がある消化器内科
貧血と黄疸がある血液内科

まとめ

黄疸は単なる体調不良ではなく、肝臓や胆道、血液の異常を示す重要なサイン です。

特に 急に黄疸が悪化したり、体重減少や強い倦怠感を伴う場合は重大な疾患の可能性があるため、速やかに医療機関を受診することが必要 です。
気になる症状がある方は、自己判断せずに医療機関へご相談ください。

みどりのふきたクリニック

診療科目循環器内科、消化器内科、内科、訪問診療
場所静岡市葵区大岩町4-23 
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