便潜血検査(べんせんけつけんさ)とは、便(うんち)の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。
自分では気づかないごくわずかな出血を見つけることができ、大腸がんを早い段階で見つける手がかりになります。
この検査は、痛みもなく、簡単に自宅でできるため、毎年の健康診断や市区町村のがん検診で行われています。当院でもおこなっている便潜血検査について解説します。
便潜血検査で大腸がんを防げるって本当?
はい、本当です。
実は、便潜血検査を定期的に受けることで、大腸がんによる死亡リスクを大きく下げることがわかっています。
たとえば、ある大規模な研究では、便潜血検査を毎年または隔年で受けた人たちは、大腸がんによる死亡率が33%も低下したという結果が出ています(Mandel JS et al., DOI: 10.1056/NEJM199309093291101)。
また、最近の解析でも、便潜血検査で陽性(血液が見つかった)と判断された人は、その後に大腸内視鏡検査を受けることで、がんの進行を防ぐことができることがわかっています(Shaukat A et al., DOI: 10.7326/M20-7442)。
つまり、便潜血検査は、「大腸がんを早期に見つけて、命を守る」ためにとても効果的な検査なのです。
便潜血検査を受けるメリット
早期発見できる
初期の大腸がんは、ほとんど症状がありません。便潜血検査は、そんな「まだ症状のないがん」を見つけるチャンスです。
検査の負担が少ない
検査は、自宅で便を採取して提出するだけ。痛みもほとんどありませ
医療費を減らせる
がんを早く見つければ、治療も軽く済み、医療費の負担も小さくできます。
安心して生活できる
定期的に検査を受けることで、病気への心配を減らし、安心して日々を過ごせます。
大腸がん検診はどんな人が検査を受けるべき?
便潜血検査は40歳以上の方はうけることをおすすめしています。その中でも特に
- 40歳以上の方(特にリスクが高まる年代で検診の対象となります)
- 家族に大腸がんになった方がいる方
- お腹の調子に不安がある方
便潜血検査は毎年1回、できれば40歳を過ぎたら必ず受けるようにしましょう。
まとめ:あなたの未来を守るために、便潜血検査を受けましょう
便潜血検査は、たった一歩の行動が、あなたの未来を守る検査です。
今は何も症状がないから大丈夫――そう思っていても、大腸がんは静かに進行することがあります。
「自分は大丈夫」ではなく、「万が一に備える」ために、ぜひ定期的に便潜血検査を受けてください。
静岡市にお住まいの方へ
静岡市にお住まいの方は40歳以上の方を対象に、大腸がん検診(便潜血検査)を各医療機関で実施しています。
検査キットの受け取りから提出まで、スムーズにご案内していますので、どうぞお気軽にご相談ください。
検査内容 | 費用負担 |
---|---|
大腸がん検診 | 300円 |
大腸がん検診(1次検診)の受け方
検査をうけれる医療機関が決まっているため、ご希望の医療機関が対象か下記より調べます。https://www.city.shizuoka.lg.jp/s7463/s003185.html#iryoukikan
*当院は大腸がん検診、胃がん検診等幅広く対応が可能です。
電話にて静岡市の検診(今回の場合は大腸がん検診)を受けたい旨をお話ししてください。
予約した医療機関の言われた方法で受診します。
大腸がん検診での精密検査での受診の仕方
大腸がん検診で陽性となった場合は、大腸カメラでの精査が必要です。当院でも行っており、ご希望の方は下記よりご予約ください。受診後に検査日程等を調整させていただきます。
みどりのふきたクリニックでは、皆さまが安心して生活できるよう、検診を通して健康をサポートしています。
まずはお問い合わせください!
【参考文献】
https://www.city.shizuoka.lg.jp/s7463/s003150.html
Mandel JS, Bond JH, Church TR, et al. Reducing Mortality from Colorectal Cancer by Screening for Fecal Occult Blood. N Engl J Med. 1993;329(13):939-944. DOI: 10.1056/NEJM199309093291101
Shaukat A, Mongin SJ, Geisser MS, et al. Long-term mortality after screening for colorectal cancer. Ann Intern Med. 2021;174(6):844-851. DOI: 10.7326/M20-7442