糖尿病ってよく聞くけど、本当のところはよく知らない?
「血糖値が高いってどういうこと?」「糖尿病って治るの?」「何を食べちゃダメなの?」そんな色々な疑問があると思います。また、糖尿病かもと聞くと漠然と何もかもに制限がかかるような気がしてショックを受ける患者さんもいらっしゃると思います。
糖尿病について正しく知って、安心して向き合うことで、十分に健康に生活を送ることができます。
患者さんから診察時によく寄せられる疑問をQ&A方式でわかりやすく解説します。
気になってはいたけど、診察室ではなかなか聞けなかった“あの疑問”も、ぜひこの機会に解決してください。
糖尿病についてのQ &A
- 糖尿病って、そもそもどういう病気ですか?
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血液中の「血糖(ブドウ糖)」が慢性的に多すぎる状態です。
体内のインスリンというホルモンの働きが悪くなったり、分泌が足りなかったりして、血糖がコントロールできなくなる病気です。進行すると、目・腎臓・神経などに合併症を起こす可能性があります。症状がないため発見が遅れることもある病気です。
- 血糖値が少し高いだけでも、治療が必要なんですか?
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はい。初期の段階でも生活改善はとても重要です。
早期の糖尿病や「境界型(予備軍)」の段階であっても、放置すると確実に進行します。
この段階で生活習慣を見直せば、将来の合併症リスクを大きく減らすことができます。ただ、治療とは薬の治療だけではなく、食事や運動療法も立派な治療ですので、すべてが薬を飲まなければいけないわけではありません。
- 糖尿病って治るんですか?
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残念ながら「完全に治る」ことは難しいですが、コントロールして健康に過ごすことはできます。
血糖値が正常に近い状態を維持できれば、合併症のリスクを抑えつつ、日常生活を問題なく送ることが可能です。しっかりと向き合えば「うまくつき合っていける」病気です。 - 「糖尿病=甘いもの禁止」なんですか?
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実は、甘いものだけが原因ではありません。
血糖値を上げるのは炭水化物(糖質全般)です。ごはん・パン・麺類などの主食の量や、食べ方の工夫が大切です。甘いものも完全に禁止ではなく量とタイミングを考えれば少しならOKな場合もあります。詳しくは栄養指導を実施していますのでぜひ受けて正しく知りましょう。
- 自覚症状がないんですが、放っておいて大丈夫ですか?
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A. 実は糖尿病は、かなり進行するまで症状が出にくい病気です。
初期の段階では無症状のことがほとんどです。そのため知らず知らずに進行していきます。
症状としてのどの渇き・頻尿・体重減少などが出る頃には、進行している可能性があるため、定期的な検査が非常に重要です。 - インスリン注射になると、もう終わりなんでしょうか?
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. いいえ。インスリンは「最後の手段」ではなく、有効な治療法のひとつです。
インスリンを使うことになったからといって悪化したわけではありません。体に必要な量を補うだけなので、上手に使えば血糖コントロールがぐんと改善します。
糖尿病は「怖い病気」ではなく、「うまくつき合える病気」です
糖尿病と聞くと不安になる方も多いと思いますが、正しい知識と早めの対応で、合併症を防ぐことは十分に可能です。
ご自身やご家族の健康のために、気になることがあればぜひ当院へご相談ください。
今回は偶然高かっただけ…と先延ばしにしてしまうこともあると思いますが、だからこそ、「まだ大丈夫」ではなく「今からできること」を一緒に始めていきましょう。
気になることがあれば、いつでも当院へご相談ください。