上部消化管内視鏡検査の重要性とそのメリット
胃や食道の健康を守るために行う「上部消化管内視鏡検査」について説明します。
この検査は、胃や食道の内部を詳しく調べるための重要な手段です。今回は、上部消化管内視鏡検査はどのような検査なのかを説明します。
上部消化管内視鏡検査とは?
上部消化管内視鏡検査とは、胃や食道、十二指腸の内部をカメラで直接観察する検査です。内視鏡という細長い管を口から入れて、これらの臓器の状態をリアルタイムで確認します。この検査によって、見えない部分の詳細な状態を把握することができます。
内視鏡には経鼻内視鏡と経口内視鏡があり、当院は患者さんの負担を考慮し経鼻内視鏡を実施しています。
経鼻内視鏡の特徴
経鼻内視鏡は口の中を通らずに胃カメラ(上部消化管内視鏡)を行うことができるため検査中も会話が可能で、嘔吐反射や異物感、息苦しさなど患者さんの検査負担が軽減されます。
実際に経鼻内視鏡は苦しさによる心臓への負担、低酸素状態を誘発しにくく心肺機能への影響が少なく高齢の方の検査リスクが低いことも報告されています。
他方で経口内視鏡に比べて細径化によるカメラの画質が低下するなどのデメリットもありますが、最近は内視鏡の進化によりそのデメリットも軽減されつつあります。
当院では富士フィルムの6000シリーズというハイビジョンのスコープを使用しており経鼻カメラでも経口(口からのカメラ)と遜色がないほど綺麗な画像で検査をすることができます。
なぜ上部消化管内視鏡検査が必要なのか
なぜ上部内視鏡検査が必要となるかは
- 早期発見
胃や食道の病気は、初期にはほとんど症状が現れないことがあります。しかし、内視鏡検査を受けることで、早期に病変を発見し、適切な治療を行うことができます。例えば、症状がないような早期の胃がんや潰瘍なども、この検査で見つけることができ、治療に繋げることができます。 - 他の検査に比べ正確な診断
内視鏡検査では、バリウム検査に比べて胃や食道の内部を直接見ることができるため、胃腸の不調の症状の原因を正確に特定でき、これにより、適切な治療法を選ぶための重要な情報を得ることができます。 - 症状の原因を解明
胸やけ、腹痛、吐き気などの不快な症状がある場合、内視鏡検査でその原因を確認できます。異常が見つかった場合は、診断を行い迅速に対応できるため、早期の症状の改善が期待できます。 - 予防と管理
病気の悪化を防ぐため、早期発見のためには定期的な検査を受けることが大切です。特にリスクの高い方(ピロリ菌治療後など)や家族に胃がんの患者がいる場合は、健診も含めて検査を受けておくことが大切です。
などがあります。昔は苦しい検査のイメージも強かった検査ですが、最近の内視鏡の進歩により以前に比べて検査負担が軽減されています。
静岡市の健診について
また、静岡市では
・胃がん検診
対象:50歳以上の男女2年に1回(その年に偶数年齢になられる方)
胃カメラによる内視鏡検査(鎮静剤は使用できません)
費用:3,000円
胃がんリスク検診(ABC分類と内視鏡検査)
35歳から49歳の期間で1度限り可能
ABC分類(血液検査でのピロリ菌感染の評価法)と内視鏡検査にて、将来胃がんにり患するリスクを判定できる
費用:4,000円
の健診制度があり、これらは当院でも使用可能です。詳細は下記のサイトで確認できます。
検査の流れと注意点
検査の流れについては下記で説明しています。
注意点としては
- 検査のリスクがあること(事前に同意書で説明)
- 検査当日には食事摂取をしてしまうと検査が受けられないこと
等があります。その点は注意が必要です。
最後に
上部消化管内視鏡検査は、胃や食道の健康を守るためにとても重要な検査です。体調に不安があるときや、定期的なチェックが必要な場合には、ぜひこの検査を受けることをお勧めします。
当院で施行をご希望の方は下記より診察予約することができます。初診の方は胃カメラを施行にあたっては、事前に診察し検査の必要性の判断や検査についてのご説明を行う必要があるため外来受診を事前にお願いしています。ご希望の方は下記よりご予約ください。
ご不明な点やご質問がある場合は、当クリニックのスタッフにお気軽にお問い合わせください。よろしくお願いします。