訪問診療(在宅医療)とは自力での通院が困難な方や自宅でのケアが必要な方へ、医師等がご自宅などへ訪問し定期的な医療サービスを提供するものです。
住み慣れたご自宅でできるだけ療養したい方に対して、訪問看護師、ケアマネージャー、訪問介護士(ホームヘルパー)などがチームになって自宅での生活をサポートするため、医療的な治療はもちろん、生活環境や介護面、生活面に対してもトータルでサポートしていきます。
訪問診療とは
訪問診療とは事前に契約を行った患者さんに対して、月2回を基本にして定期的かつ計画的に自宅(施設)へ訪問し、診療、治療、薬の処方、療養上の相談や調整、指導などをおこなっていくものです。
すべての患者さんが対象となるわけではなく、自宅療養中で自力での通院が困難であり、治療を必要とする疾患がある患者さんが対象となります。
訪問診療のメリット
- 自宅で診察をうけることができるため通院の負担がない
- 医療的な側面はもちろん、生活などについてもサポートを受けられる
- 待ち時間を家で過ごせる
- 夜間、休日でも対応、診察をうけることができる
最大のメリットは自宅で過ごしながら外出することなく医療、介護サービスをうけることができることです。年齢や病状が進んでいくと通院や病院での待ち時間が負担となりますが、それを軽減することができます。
また、自宅に直接医療者がうかがうので、医療的なこと以外にも生活にかかわることを直接相談することができます。病院では相談しにくい内容も直接相談をすることができます。
さらには、診察する時間は予約通りにならないこともありますが、待ち時間も自宅でまつことになるので、自宅でリラックスしながら待つことができます。
また、調子が悪くなった場合は、看護師、医師などに24時間対応してもらえるため、急な病状の変化にも対応が可能です。
訪問診療のデメリット
- 検査できる項目に限りがある(特殊な機械を使用する検査ができない)
- 治療に制限がある
- 費用負担が外来のみと比べて多い
- 人が家に来ることへの抵抗感
訪問診療での大きなデメリットは、治療、検査の制限と費用負担です。
治療は医師、看護師が直接ご自宅へ伺うことやトータルでのサポートを行うため、外来のみの時よりは費用負担が発生します。(下記に目安を記載しています)
また、検査や治療は訪問診療では行えることがある程度限られており、通院と比べるとやはりデメリットとなります。
診察内容
実際に訪問診療で行えることは下記のとおりです。
- 一般採血検査
- 血圧、酸素飽和度測定
- 採尿検査
- 感染症迅速検査
- エコー検査
当院は持ち運び可能なポータブルのエコーがあるため、ご自宅でエコー検査を行うことができます。
そのほか採血検査も自宅にて行うことができます。
- 内服薬処方
- 自宅、施設での点滴
- 在宅酸素療法指導管理
- 褥瘡処置(外科的デブリードマン含む)
- 緊急時の診察
- 胃瘻カテーテル交換
- 気切チューブ交換
- 腹水穿刺
治療に関しては点滴や酸素療法など、イメージするよりはいろいろな治療を受けることができます。
最後までご自宅でと望まれる方も昨今はおおくなり、その場合も希望や状況に沿いながら内服治療、張り薬での治療、座薬、点滴をおこないながら対応ができます。
訪問診療の費用
訪問診療の費用に関してです。
月2回訪問でそれのみであった場合、1割負担の方は医療費負担は7,000円程度(2割負担の場合は14,000円、3割の場合は21,000円程度)となります。
そのほか検査や処置、往診、電話相談(電話再診)などを行う場合は別途費用が必要となります。
やはり一般的な医療費よりは高額となりますが、施設に入所や、療養型病院という入院して療養を行う場合は20万弱の費用が掛かることも多く、自宅で生活しながら訪問診療と訪問介護、訪問看護など介護サービスを使用するほうが負担がすくない場合が多いです。